SHIMANE UNNAN-CHALLENGE

これまでの雲南市(雲南市ブランド化プロジェクト)

歴史の幸

鉄の起源

 雲南市は、「ヤマタノオロチ退治」神話の舞台となった斐伊川とその支流、そして、これらを取り囲むように広がる山々など、豊かな自然に育まれたまちです。

 雲南市が属する中国山地は花崗岩(かこうがん)地帯であり、この母岩に含まれる良質の砂鉄を使って、古く古墳時代から鉄が作られてきたところでもあります。このように、雲南市には原始、古代から近世にいたる鉄の歴史や文化を物語る遺跡がとりわけ多く、雲南市では、「歴史の幸」のひとつとして、鉄の歴史と文化を取り上げています。

 このコーナーでは、特に、原始・古代から中世の鉄に関わるさまざまな情報を、遺跡や文献、ときには神話などを通してご紹介します。

 

 それでは、まず最初に、鉄の起こりについてお話ししたいと思います。

 今から約70年前に、現在のトルコの郊外で王墓群が見つかり、このお墓から、黄金で装飾された鉄剣が出土しました。この鉄剣の成分分析が行われた結果、今からおよそ4,300年前に作られたものらしいということがわかったのです。

 4,300年前の日本列島では、縄文人が弓と矢を持って野山で動物を狩り、道具といえば石や木材、動物の骨など、自然の中でまかなえる素材を使った、実に簡単なものでした。ですから、まぶしく輝く純金など、縄文人にとっては想いもつかないものだったでしょう。

 さて、驚くことはこれだけではありません。この鉄剣には、ニッケルが約7%も含まれていることがわかったのです。実は、地球上に存在する自然鉱物には、ニッケルはほとんど含まれていません。ところが、宇宙から到達する隕鉄(いんてつ:鉄隕石)には、このニッケルが5~20%も含まれているのです。つまり、この鉄剣は、宇宙から落下してきた鉄隕石を打ち延ばして作られたものらしいのです。これは単なる偶然かと思われるかもしれませんが、この王墓群の中の別のお墓から発見された鉄製品にも、4~6%のニッケルが含まれていたことがわかり、やはり、隕鉄が材料であったと推定されています。

鉧塊.jpg

 このように、日本でいえば縄文時代の中期末ごろ、はるか中近東では、隕石を拾い集め、鉄製品に加工していた人々がいたことになります。どれほどの隕石が、空から落ちてきていたのかは想像もつきませんが...。鉄精錬の発祥地は、まだはっきりわかっていませんが、中近東はその有力な候補地となっています。

 また、この地帯は鉄の原料となる鉄鉱石の産地でもあります。もしかしたら、地上に落ちた隕石と、露頭の鉄鉱石がなんとなく似ていることから、鉄鉱石を使って鉄が作られるようになったのかもしれません。

 現代に生きる私たちにとって、「鉄」は、身の回りにあたりまえのように存在するため、あまり気にとめられることがありませんが、この歴史をたどっていくと、ロマンにも似た興味深いものが感じられます。

 ぜひとも、次回以降も「鉄」についてのお話にお付き合いください。

記事一覧

もっと見る

雲南ソーシャルチャレンジ大発表会

Facebook

雲南市に関係するサイト