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歴史の幸

出雲三部作の銅鐸 -加茂岩倉18号鐸・23号鐸・35号鐸-

 いま、ちまたでは、錦織良成監督作品の映画「うん、何?」が話題になっていますが、みなさんはご覧になりましたか?この映画「うん、何?」は、島根県雲南市を舞台に繰り広げられる青春ストーリー。大ヒットとなった「白い船」から始まって、これから本格的に制作される「BATADEN」へと続く、錦織監督による島根三部作第2弾です。まだご覧になっていない方は、ぜひ映画館に足をお運びください。神話と歴史に彩られた雲南市の魅力が、スクリーンいっぱいにあふれるこの映画は、現在、東京(渋谷シアターイメージフォーラム)で絶賛上映中です。

 さて、この映画のストーリーは、1996年10月14日に大量の銅鐸が出土して全国の注目を集めた加茂岩倉遺跡から始まります。この映画でも描かれているように、銅鐸発見から5日後の一般公開日には、神からの突然の贈り物を一目見ようと、遺跡から1㎞以上もの長い行列ができました。加茂町には、この1日で町の総人口をはるかに上回るたくさんの人が押し寄せたのです。銅鐸の発見によって、当時人口7千人弱の小さな町は、世紀の大発見に沸き、まさに町中が銅鐸フィーバーともいえる状況に突入しました...。


 銅鐸発見から始まる加茂岩倉遺跡のお話は、またあらためてすることにいたしましょう。少々前置きが長くなりましたが、このあたりで今回の本題に入ります。

 加茂岩倉遺跡出土銅鐸は総数39個で、1ヵ所からの出土としては全国最多ですが、出土した数の多さもさることながら、写実的な絵画を持つ銅鐸や、同じ鋳型で造られた銅鐸が多く存在することでも注目を集めました。総数39個のうち、絵画銅鐸は全部で7個ありますが、この中で一際異彩を放っているのが、加茂岩倉18号鐸・23号鐸・35号鐸です。

 
  35号銅鐸.jpg           これら3つの銅鐸は、袈裟襷文(けさだすきもん)銅鐸と呼ばれるもので、銅鐸の身(銅鐸の胴体部分)の表面に、網目状の斜格子文(しゃこうしもん)で埋められた帯が「田」の字に配置してあります。この帯によって内側に4つの区画ができているので、四区袈裟襷文(よんくけさだすきもん)銅鐸と呼びますが、18号鐸・23号鐸・35号鐸は、この区画の上段に、トンボやシカ、イノシシなどの動物が描かれていました。

 
 それぞれを見てみると、18号鐸には銅鐸の両面ともにトンボが、23号鐸には片面にシカとイノシシ、もう片面にはシカとイヌのような四足獣、35号鐸には片面にトンボ、もう片面にシカとイノシシが鋳出されています。描かれた絵に違いはありますが、銅鐸の大きさ、文様の構図や配置に共通点の多いのが特徴です。どうやら、これら3つの銅鐸は切っても切れない関係にあるようで、同じ工人集団によって造られた「連作」銅鐸とも考えられます。

                                                実は、この3つの銅鐸、他の加茂岩倉遺跡出土銅鐸と異なり、出雲で造られたものではないかと言われています。それは、他地域で出土している絵画銅鐸と比べ、描かれた絵が写実的であるということのほかに、袈裟襷文の描き方に大きな違いがあるからです。
 

 一般的に、袈裟襷文銅鐸には「横帯(おうたい)優先」のルールがあり、ほとんどの袈裟襷文銅鐸は、縦帯(じゅうたい)と横帯が重なり合う部分について、横帯が縦帯を消してしまっています。実際に銅鐸を正面から見ると、縦帯の上に横帯が乗っているように見えるのです。そして、縦帯、横帯の幅は、銅鐸の身の上部から下部へ向かっても、その幅に大きな違いがありません。

 
 ところが、この3つの銅鐸の場合は、縦帯と横帯の重なり合う部分に「横帯優先」のルールが守られておらず、さらに、縦帯、横帯の幅も、銅鐸の身の下方へ向かうにしたがって、徐々に広くなっているのです。帯の中に埋められた網目状の斜格子文も、下の方では目が粗くなっています。同時期のものとみられる銅鐸には、ほかにこのような例はありません。 
 

 銅鐸を造った集団の中心地は、やはり近畿地方。しかし、加茂岩倉銅鐸には、近畿地方の工房や銅鐸出土地では見られない特徴を持つ、3つの銅鐸が存在します。この「出雲三部作」と言われる18号鐸・23号鐸・35号鐸の鋳型が、出雲で出土することを期待しているのですが...。

 銅鐸の各部位の説明もしないまま、錦織監督の映画に掛けて18号鐸・23号鐸・35号鐸の話をしました。細かな用語の解説は、別の機会にすることにいたしまして、このカテゴリーでは、しばらく、この3つの銅鐸にこだわってお話をしていきたいと思います。

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