SHIMANE UNNAN-CHALLENGE

これまでの雲南市(雲南市ブランド化プロジェクト)

人の幸

第9回 小田和子さん

ジャズと神楽の融合 ~挑戦する深野神楽団~
深野神楽団 小田和子さん
雲南市吉田町田井の深野神社社家に生まれる。高校生の時に深野神楽の復活に携わる。大学卒業後は深野神社の神主を務め、神楽では笛を中心にほとんどの役をこなす。現在は、田井交流センターにて深野神楽子ども教室の事務局も務めている。

<深野神楽>
江戸末期かそれ以前からの歴史を持つが大正時代に後継者不足のため、途絶える。約70年後に復活し、昭和61年に地元有志により保存会が結成された。以来、各地で公演。
海外ではアメリカ、タイでも公演を行い、各地の神楽団と活発に交流を行っている。2011年には復活25周年を迎える

















―神楽を始められたきっかけはなんでしたか。
家が深野神社で、小さい頃から神話などを聞きながら育ちました。神楽もお祭りをはしごして見に行くほど大好きでした。
深野でも私が高校生の時に納涼祭で一時的に復活することになり、その仲間に加わりました。これが好評だったので、翌年から本格的に復活することになり、私の家を練習場所として活動を始めました。進学のために地元を離れることになりましたが、「神楽をやるために戻ってきたい」と思うようになりました。ただ、次女だったので両親からは戻ることをあまり期待されていなかったようです。そこで当時少なかった笛の吹き手になろうと思い立ち、家にあった笛を進学先の兵庫に持って行って海岸で練習していました。帰省した時に披露して親を驚かせ、帰って来いということになりました。神楽がしたいという一心でしたね。もともと若者が少ないところですので、私が帰って神楽をやって楽しく過ごしていれば帰ってくる人もいるかな、と思いながら暮らしています。


―他の神楽団との交流はありますか。
近隣の神楽団さんとは競演会をやっていましたし、雲南市以外では、出雲市大社町の大土地神楽さんと1992年にアメリカ公演を一緒にして以来仲良くしています。「国譲」神話の地稲佐の浜でかがり火舞をしたいとの私の思いを大土地さんに話したところ、大土地神楽の若いメンバーが立ち上がってくれて、稲佐の浜夕刻かがり火舞が実現しました。今年で7回目になります。ここのロケーションは本当に素晴らしいです。
今でも交流を続けていますが、自分たちのかがり火の舞もしたいということで、木次町の斐伊川の河川敷でもかがり火の舞をすることになりました。今年は9月16日開催します。交流をしている団体を呼び、賑やかに開催予定です。
ほかに交流しているのは飯南町の飯南神楽同好会さん、そして子ども神楽は大田市の土江子ども神楽さんとも情報交換しています。それから広島の芸北神楽の琴庄神楽団さんです。人気が高くて私も大好きな神楽団です。浜田市の亀山社中さんも親しくしていますが、出雲神楽や石見神楽は芸北神楽に比べると注目されることが少ないので、お互いにもっといろいろな人に島根の神楽を知ってもらいたい、ということで、復活15周年のときに、琴庄神楽さん、亀山社中さんを呼んで競演会をしました。広島の方からも多くの方が来られ出雲神楽を知ってもらういい機会になりました。

―今年は古事記編集纂1300年の年ですが、新しいことに挑戦されているそうですね。
雲南市では加茂町のラメールを中心にジャズを活かした取り組みをしていて、2009年の12月にジャズを活かしたまちづくりのシンポジウムがありました。そこでジャズと神楽を融合させた町おこしをされている大分県由布市の方が招かれていて、交流が始まりました。
神楽とジャズを融合させてみたいという声が上がり、新しいことをするなら深野神楽!と声をかけていただきました。
翌年2010年の3月にはラメールでジャズをやっている中高生と由布市を訪問し、由布高校郷土芸能部とラメールジャズオーケストラとの共演が実現しました。由布高校は郷土芸能の全国大会で金賞を受賞するほど実力のある部でしたので、本当にすごかったです。島根にぜひ呼びたいということになり、翌2011年の9月の25周年の記念行事に由布高校を招待しました。地元での反響もかなり大きく、記念行事のDVDも由布高校が入ったものばかりが売れました。12月には、深野神楽とラメールでジャズをしている中高生が競演しました。ちょうど古事記編纂1300年の前年でしたので、演目も神話のように岩戸開きからヤマタノオロチまでストーリー仕立てにし、間にジャズを挟み込むようにして上演しました。斬新でしたがすごく好評で、全国へ持っていこうかという話にもなっています。


―子ども神楽も盛んですが、 次の世代に期待することは?
子ども神楽は、保育所で遊びで始めたのが最初でした。それが好評で本格的になり、中学校でも総合学習の一環で神楽が取り入れられるようになりました。小学校では無かったので保護者からの声もあり、神楽団が直接指導するかたちで深野神楽こども教室が始まりました。第1期生は大学2年生で、高校生以上の子は3人入っています。みんな神楽が大好きな子たちばかりで、3人とも神楽をするために帰って来たいと言っていて心強いです。団員も40代以上のものがほとんどですし、地域の大人たちも新しく入る人はあまりいないので次の世代に期待したいです。
まだ、今年は深野神楽こども教室が開講して10周年の年で、10月7日に田井小学校の体育館で、交流をしている土江子ども神楽などの県内の子どもの神楽をゲストで呼び共演会を開催する予定です。10周年に向けて子どもたちもはりきっていて、こういう体験が将来に繋がると思っています。


―次々と新しいことに挑戦されていますが、次に取り組まれたいことはありますか。
うちの神楽は復活してからまだそんなに歴史はないのですが、ほとんどの人が同じ経験年数なので年齢に関係なく自由に言い合い、新しいことに挑戦できるのがいいところだと思います。
次は創作神楽に挑戦したいです。近くの神楽団が始められていたのを見に行って、自分たちのところでもやりたいな、と思いました。団員も協力してくれると思います。衣裳や台本などいろいろと課題はありますが、いつかはやりたいと思っています。
それと今挑戦しているのはピアノやチェロなどの生演奏の中で行う朗読劇「わくわくお話し隊」がされる「やまたのおろち」と神楽のコラボレーションです。出来れば、9月の斐伊川夕刻かがり火舞の時に披露したいと考えています。


<編集後記>
次々と新しいことに挑戦されている深野神楽団の皆様。練習の時なども小田さんを中心に年齢関係なく自由に意見を言い合い、いい雰囲気で取り組まれています。これが挑戦し続ける秘訣かもしれません。

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